《初級者~中級者向け》
ポーズをうまく描くには重心に関する知識が欠かせません。
今回は人間のポーズを描くために必要な重心と支持基底面の基本的な知識について解説します。
また、キャラクターの表現に使えるポーズの描き分けについても解説します。
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今回の記事の内容
今回の内容です。
今回の記事を読めば重心と支持基底面の関係を理解して、人間の立ちポーズを描けるようになるでしょう。
立ちポーズがうまく描けない原因は重心に関する知識不足のことが多いです。
「どうも人の立っているポーズがうまく描けないな」という人は、ぜひ参考にしてみて下さい。
重心を知れば、バランスの良い安定した立ちポーズが描けるようになるでしょう。
重心に関する基礎知識
最初に簡単に重心の基礎について説明します。
より詳しい解説はこちらの記事を参照して下さい。
重心とは何か?
まず「重心」についてですが、重心とは地球が重力で人や物を地球の中心へと引っ張る代表地点のようなものです。
地球の重力は物体のあらゆるところに働くのですが、物として一体化している時は、その代表ポイントに作用します。
そのポイントが重心です。
すべて同じ素材でできた箱の重心は箱の中心部分に存在します。
地球は箱を引っ張る時、この中心部分を引っ張っているわけです。
重心を支える支持基底面
そして、重心を使って絵を描く時に、もうひとつ知っておくべきものがあります。
それが「支持基底面」です。
支持基底面はわかりやすく説明すると重心を支える面です。
重心が地球の中心へと引っ張られる時に重心と地球の中心の間に支持基底面があれば、その物体は今の姿勢を保つことができるのです。
こちらの箱で説明すると、箱の底になっている面すべてが支持基底面となります。
この支持基底面の上に重心がある場合、箱はその姿勢で立っていられるということです。
重心と支持基底面の関係は箱だけでなく、ありとあらゆる物体に存在します。
何かを地面に立たせた絵を描く場合、この重心と支持基底面の関係がちゃんと描けているかが大切になってきます。
重心と支持基底面の詳しい説明は動画を作っていますので、良ければ参考にして下さい。
重心の基礎についての詳しい解説動画はこちらから▼
ティッシュ箱を使った重心と支持基底面の説明動画▼
人間の重心と支持基底面
重心と支持基底面は、もちろん人間にも存在します。
この章では人間の重心と支持基底面について解説します。
人間の重心位置
人間の重心位置はおへその下あたりになります。
ただし、これは成人男性の場合です。
重心位置は年齢や性別で変化します。
女性であれば、成人でも骨格や筋肉のつき方が男性とは異なりますので、男性の重心位置よりもう少し下になるようです。
そして、子供の場合であれば体が小さく、頭の比率も大きいので重心は胸のあたりになります。
以下の説明では男性、女性共に重心はおへその下あたりとして説明していきます。
両足重心と片足重心
人間の立ちポーズは主に2種類あります。
「両足重心」と「片足重心」です。
この2つのポーズの違いは重心を両足で支えているか、片足で支えているかです。
どちらのポーズも重心位置はおへその下あたりにきます。
この2つのポーズで大きく異なるのは支持基底面の広さです。
両足重心の支持基底面は両足を広げた幅になります。
一方、片足重心は重心を支えている脚の足の裏だけが支持基底面となります。
これはかなりせまい支持基底面です。
そのため、片足重心のポーズは人間にとって非常に不安定なポーズなのですが、メリットもあります。
それは重心を支える役目から解放された方の脚を自由に動かせるという点です。
これによって人間は歩いたり走ったりして移動が可能となりますし、絵を描く上では躍動感のあるポーズをとることができるようになるのです。
ポーズを描く時に片足重心は非常に使いやすい姿勢でもあります。
片足重心ポーズの描き方
ここでは片足重心を描く時の注意点を3つ説明していきます。
単に重心を片方の脚にかければ、片足重心ポーズになるわけではなく、いくつかおさえておくべき特徴があります。
重心を支える脚の描き方
すでに説明しましたが、片足重心の時の支持基底面は重心を支える足の裏の面積だけです。
片足重心ポーズを描く時は、このせまい支持基底面の上に確実に重心を入れなければなりません。
簡単な描き方は、重心を支える脚を体の内側に入り込ませるように描くことです。
足の裏を重心の真下あたりに持ってくることで、確実に支持基底面の範囲内に重心を入れられます。
この足の裏の支持基底面上に重心を描くということが、片足重心ポーズを描く上で一番重要です。
まずは確実に支持基底面上に重心を置くことを意識して描きましょう。
持ち上がる腰
重心を片足で支えると人間の体にはある身体的な特徴が見られます。
それが重心を支えた側の脚がぐっと張って、そちら側の腰が上がるというものです。
これは片足重心で立った時の顕著な特徴です。
腰を上げてやることでポーズとしても安定します。
片足重心のポーズを描いたら、重心を支える側の腰を上げて描いてみましょう。
上半身はS字を意識
こちらは「腰が上がる」のように必ず現れる特徴ではありません。
ただし、ポーズをバランスよく描く上で取り入れた方が良いポイントになります。
腰から上の胸や頭といった上半身のパーツを配置する時は曲線を意識するとよいでしょう。
具体的な例としては「S字」です。
腰、腹、胸、頭といったパーツをS字の曲線にそって配置します。
この描き方で棒立ちのようなポーズになることを回避できます。
ポーズによる重心の使い分け
ここまで、両足重心と片足重心について説明して来ましたが、ここではそれぞれのポーズの使いどころについて説明します。
キャラクターを描く時のポーズは、そのキャラクターの性質を表現する重要なものです。
両足重心、片足重心それぞれのポーズの活用例を見てみましょう。
安定感を作り出す両足重心
広い支持基底面を持つ両足重心は安定した立ちポーズです。
このポーズから受ける印象は安定感や強さ、頑丈さです。
「固い」「重い」を体現させる
大きな体を持ち、固いや重いイメージを持つ男性キャラクターには両足重心ポーズがよく合います。
両足を開き、どっしりとしたポーズには重厚感があります。
強さを表現するなら女性でも両足重心で
女性は人体の構造上、基本的には線が細くやわらかいキャラクターですが、格闘系の筋肉質な女性であれば、やはり両足重心のポーズがよく似合います。
躍動感を生み出す片足重心
安定感のある両足重心に対して、片足重心は動きのあるポーズを作ることができます。
「すばやい」「軽い」を表現する
男性キャラクターでも、細身の体で忍者のような「速い」や「軽い」を主なイメージとする場合は片足重心が合うでしょう。
女性のやわらかさや明るさは片足重心で
女性のかわいらしさや明るい感じを表現するには片足重心が持って来いです。
このように取るポーズによってキャラクターの持つ特性を表現することができます。
要点まとめ
それでは、今回の要点まとめです。
人の立ちポーズを安定して描くためには重心と支持基底面の関係を理解することが必須です。
重心と支持基底面の知識を取り入れて、人の立ちポーズを描いてみて下さい。
それでは、また次回。
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