《初心者~初級者向け》
今回は「腕を組んでいる人」の描き方について説明します。
上の写真のような腕組みした人物はなかなか描くのが難しい題材です。
特に腕を組み合わせた部分の構造が複雑で描く気をなくしてしまいます。
今回はこの腕組みをした人物の描き方の説明なのですが、もうひとつ重要なテーマがあります。
それは「なぜそうなっているのかを整理して考えながら描く」ということです。
初心者の人は、構造などをよく考えずに描いている人が多いです。
腕を組んだ人の描き方を通して、理屈を考えながら描く手順を学んでみましょう。
▼前回の記事「バンザイしている人の描き方」はこちら
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今回の記事の内容
今回の主な内容です。
「腕をどう組むか」という理屈を考えながら、腕を組んだ人を描いてみましょう。
正確な絵を描くためには「なぜそういう姿勢になったのか?」という、根本のところから考えて描く癖をつけておくのが良いです。
腕を組んだ人を例に、腕を組む流れから考えてみましょう。
人が腕を組む手順
まず、人間がどのように腕を組んでいるのかを考えてみましょう。
腕の組み方の色々
ただ、「腕を組む」といっても色々な組み方があります。
主なものをあげるとすると、以下の3種類になるでしょうか。
最初にあげたAの他に、腕を組んで両手を左右の肘から上腕あたりにそえたもの(B)、腕を組んで左右の上腕で手をはさみこんだもの(C)などありますが、今回は、おそらく一番一般的なAを描いてみます。
Aは腕の下に入れた手を止め金のようにうまく使って、がっちりと両腕をホールドできる安定した腕の組み方です。
BやCについても、Aのポーズを描く手順がわかっていれば、あとは少し腕の組み方を微調整するだけで描くことができるでしょう。
まずは、Aのポーズがどのように腕を組んでいるか、手順から考えてみましょう。
実際に同じポーズをとってみる
Aのポーズをする時、人間はどのように腕や手を組み合わせているでしょうか?
これは実際に自分でやってみるのが一番良い確認方法となります。
「できるポーズは自分でやってみる」は絵を描く前の準備としてとても有効です。
一度自分で腕を組んでみてから描きはじめるのがおすすめです。
描くポーズの完成形のイメージもつかみやすくなります。
腕の組み方を考える
今回は実際に組んでいく過程を図解していきます。
とはいえ、それほど難しいものではありません。
最初は腕を下ろした状態から始めていきます。
そこからどう動いて腕を組んでいくか考えながら描いていきましょう。
腕を組む時は、まず片手をもう一方の腕の上腕部分にそえます。
これが腕組みの土台、基礎部分として機能します。
今回の図では左手を右腕の上腕部分にそえる感じにしています。
土台になる腕は、もちろん逆でもOKです。
手をそえて土台ができたら、逆側の腕を上に持ち上げてきます。
解説図で言うと、右腕を持ち上げてくることになります。
持ち上げてきた腕は、土台となっている腕(左腕)の曲げた肘の間に入りこむ体勢となります。
持ち上げた手を反対の腕の肘のすき間に入れたら、手の部分で組んだ腕が外れないようにがっちりと鍵をかけます。
すき間に入った手は逆側の上腕に引っかかって止め金の役割を果たします。
これで組んだ腕がはずれにくくなり、ポーズとして安定します。
腕を組んだ人の完成です。
この時に肘のすき間に入れずに、逆側の上腕に手をそえる感じにするとBのポーズになります。
この組み方はAのようにポーズとしては安定しないものの、少しやわらかい印象のある腕の組み方になります。
知的な人物や女性の表現のひとつとして使えるポーズかも知れません。
腕を組んだ人を描く
さて、上の説明でほぼ描けてしまっているのですが、一応A、B、Cそれぞれの完成形も描いておきます。
安定感のあるAのポーズ
Aのポーズで腕を組んだ人物を描くとこのような感じです。
左右それぞれの腕に役割があり、腕を組んだポーズを形作っています。
片方の手を上腕の下に入れて止め金のように使いポーズを安定させているところがポイントです。
やわらかさのあるBのポーズ
Bのポーズであればこのような感じ。
Aとは異なり、止め金になる方の手を肘にはさみ込まず上腕あたりにそえる形です。
腕組みをしたポーズとしての安定感には欠けます。
ちょっと特殊なCのポーズ
Cは胸を抱えるように手を入れ、それを脇ではさんだ感じになります。
少し特殊な腕の組み方で、キャラクターの内面や性格を表現するポーズとして使えそうです。
両手を上腕にはさみこむのでBのポーズよりは安定した腕の組み方です。
要点まとめ
最後に今回の要点をまとめておきます。
課題は「腕を組んだ人を描く」というものでしたが、「どうしてそうなるか?」という理屈を考えながら描く癖をつければ、腕組み以外のポーズも描けるようになります。
一見、複雑そうに見えるポーズも理屈から考えて描けば意外と簡単です。
動きの手順を考えて描く、という癖をつけるようにしましょう。
次回は、動きの手順を考えて描くことに慣れる意味で「あぐらをかいて座る人物」の描き方です。
あぐらは、今回の腕を組むポーズの脚バージョンと言ってよいでしょう。
人間がどのような手順であぐらをかいて座るのか、座る動作から考えて描いてみましょう。
それでは、また次回。
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