《超初心者~初心者向け》
今回は正面から見た人の顔(頭部)の描き方について解説します。
▼前回の手の描き方についてはこちらから
正面から見た顔には人の顔を描く基本が詰まっています。
みなさんも人と会って話をしたりする時には、相手の正面からの顔を見ることが多いでしょう。
日常生活で観察する機会も多い正面顔を通して人の顔の比率やバランスを学んでみましょう。
▼頭部全般についての解説はこちら
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今回の授業内容と難易度
では、今回の主な内容です。
正面から見た顔で人の顔を描く時の基本をおさえましょう。
ななめを向いたりして多少角度が変わっても正面顔でおぼえた比率やバランスをもとにして顔を描いてゆくことができます。
- 難易度 1:★☆☆☆☆
- 重要度 4:★★★★☆
- 画力向上度 3:★★★☆☆
今回は超初心者も対象の簡単かつ、基礎的な内容です。
その反面、人間の顔(頭部)を描く時の基本が詰まった内容で、マンガやイラストなどで人を描く時には常に必要となる知識となる部分ですので、重要度は高めになっています。
おぼえておくだけで絵を描く力も確実に向上します。
「顔を描くための知識が少しあいまいだな…」という人は、ぜひ読んでみて下さい。
人間の頭の形
最初に人間の頭の形を確認しておきましょう。
「球」ではない人の頭
人の頭を描く…となったら、とりあえず「球」でラフをとることが多いと思いますが、人の頭は完全な球形というわけではありません。
自分の頭を計ってみるとわかると思いますが、人の頭部は正面側の横幅がせまく、横から見た側面の幅が広くなっています。
つまり人の頭は少し側面が削れたような球形になっています。
最初に「球」で頭のラフを描いても良いのですが、形をととのえていくにしたがって側面が少し削れているということを意識して描いていくようにしましょう。
ここでは人の頭の形は「完全な球体でない」ことをおぼえておいて下さい。
顔の真ん中を通る正中線
頭のラフが描けたら、とりあえず引いておいた方がよい補助線があります。
それが頭の中心を縦に通る「正中線」です。
正中線は頭だけでなく人間の体全体を左右に二等分する線でもあります。
人の頭を描いた時はこの正中線を使って顔の向きをコントロールすることになります。
人のラフを描く時に一番重要な補助線が正中線となるので、ラフを描いたら正中線を描くことを癖にしてしまうとよいでしょう。
目の位置は顔の真ん中
頭の球を描いて、正中線を引いたら「目の位置」を決めます。
頭部における目の位置
実は、人の頭蓋骨の形は年齢と共に変化するので目の位置も大人と子供で少し変わるのですが、今回は頭蓋骨の成長も終わった成人男性を例に説明していくことにします。
※年齢による顔の描き分けは別の回で説明します。
大人の男性の場合、目の位置は頭部のほぼ真ん中あたりにきます。
どの年齢であっても、真ん中の線より上に目が来ることはありません。
目が真ん中の線より上になってしまうと、途端におかしな顔になってしまうので注意しましょう。
しかし、真ん中の線よりも下になることはあります。
頭蓋骨が成長している途中にある子供は、まだ目の位置も低いので絵を描く時にも真ん中の線より下を意識して目を配置することでかわいらしさを出せたりします。
今回は大人の男性なので、ちょうど真ん中あたりに目を描いておきます。
右目と左目の幅
右と左の目の幅も確認しておきましょう。
ここは個人差がある部分でもあるのですが、一般的な右目と左目の距離は目の幅ひとつ分とおぼえておくとよいでしょう。
描いたキャラに個性を持たせたければ、この距離を離したり近づけたりしても面白くなります。
様々な顔の比率
鼻や耳、口などのパーツを配置しながら、様々な顔の比率も確認しておきます。
これはそれぞれのパーツの位置を使って次に描くパーツの位置を決めていくやり方です。
順番に場所を決めていけるので便利な描き方です。
眉の位置
目の位置が決まったので、次に眉を描いてゆきます。
眉は知っている通り、目の上についています。
眉がついている場所は目の横幅半分くらい上を目安とするとよいでしょう。
正面顔の横幅
眉の位置が決まったら、ラフで描いた頭の幅を確認しておきます。
側面が削れた頭の球体は縦幅が長く、横幅が短い形をしています。
頭の横幅(耳を含まない)の目安は眉からあごまでの長さとほぼ同じです。
頭の縦幅を10とするなら、横幅は5.5~6程度の長さとなります。
鼻の頭の位置
顔の幅を決めたら、次に鼻を描いてゆきます。
鼻の位置ですが、これを決める時にも先に描いた眉の位置が大切な目安になります。
眉からあごまでの距離のちょうど中間、ここに鼻の頭がきます。
この鼻の頭は顔を正面から見た場合は正中線上に位置します。
そして、鼻の横幅の目安は目の横幅と同じくらいにしておくとよいでしょう。
ちょうど右目と左目の間にすっぽりとおさまるような感じになります。
耳の場所
眉と鼻の頭の位置が決まったら、耳の位置を決めることができます。
耳は鼻の頭から眉までの距離にほぼ等しい長さで、鼻の頭と眉の位置から水平に横に移動させてところについています。
指を使って場所を確認してみましょう。
鼻の頭、眉それぞれの位置から指を耳の方へと動かしてみましょう。
鼻の頭は耳の下端、眉の方は耳の上端にあたるのがわかるかと思います。
口の位置
最後に口の位置を決めます。
口は鼻の頭とあごの間に位置していますが、ちょうど真ん中というわけではありません。
真ん中にしてしまうと口が鼻からはなれすぎてしまい、鼻の下の伸びた少しまぬけな印象のキャラクターになってしまいます。
そういうキャラを作りたいのなら真ん中でもOKですが、そうでないなら口の位置は鼻の頭とあごの距離を3等分した鼻寄りのポイントのところくらいで決めるのがよいでしょう。
口は鼻の頭とあごの真ん中についているわけではなく、少し鼻に近い位置についています。
口が描けたら、ごく一般的な比率で描いた大人の男性の顔(頭部)の完成です。
要点まとめ
今回の要点まとめです。
今回描いた顔は、あくまで平均的な比率で描いた場合の大人の顔となります。
これは顔を描く時のひとつの基準となります。
しかし、マンガやアニメの世界のキャラクターの個性は多彩です。
今回学んだ顔の比率を自由に変えて創造的なキャラを生み出してみるのがよいでしょう。
次回は横顔の描き方についてです。
横顔は正面から見た顔に加えていくつかおぼえておくべき比率やバランスがあります。
間違えやすいポイントに注意しながら横顔を描くための知識とコツを身につけておきましょう。
それでは、また次回。
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