※本ブログの記事には広告が表示されます。

100歳のおじいちゃんの描き方~老人が老人に見えない時の解決法~

スポンサーリンク
100歳のおじいちゃんの描き方~老人が老人に見えない時の解決法~ 人体の描き方
スポンサーリンク
スポンサーリンク

《初級者~中級者向け》

今回はお年寄りの描き方についてです。

なかでも90歳とか100歳といった、すごいお年寄りを描く方法を解説します。

こんな感じのお年寄りをマンガやアニメで見たことはないでしょうか?

元気な老人

確かにお年寄りである感じはありますが、せいぜい60歳とか70歳くらいの年齢に見えて、まだまだ元気に活動している印象を受けます。

「この人は90歳です」と言われても、素直に首をタテにれない感じがあります。

このお年寄りをさらに年を取った90歳や100歳といった年齢にするには老人を描く時のポイントをいくつか知っておく必要があるのです。

今回はこの90歳、100歳レベルのお年寄りの描き方について解説していきます。

 

※本ブログの記事には広告が表示されます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

今回の授業内容と難易度

今回の内容です。

  • 老人が老人にならない原因について
  • 老人の頭蓋骨について
  • 100歳の老人の顔は赤ちゃんを描く時と同じ

60~70歳くらいの年齢のお年寄りは比較的ひかくてき描きやすいです。

記事の最初に描いた老人の絵も「60歳です」というのなら、それでOKです。

しかし、「100歳です」というのなら、途端とたんに説得力がなくなってしまいます。

  • 難易度なんいど 2:★☆☆☆
  • 重要度じゅうようど 2:★★☆☆☆
  • 画力向上度がりょくこうじょうど 3:★★★☆☆

90歳や100歳の老人を描く機会はそれほどないとは思いますが、いざ描かなければならないとなった場合にポイントを知らないと全く描けません。

100歳のお年寄りを描く知識をここで身につけておきましょう。

知っておくとキャラクターをデザインする時にも役に立つ知識です。

老人が老人にならない原因

さて、冒頭ぼうとうのこちらの老人です。

元気な老人

毛髪もうはつが薄くなっていて白髪しらがで、しわやひげを描き加えることなどで年を取った感じを出そうとしてはいますが、どう見ても60~70代くらいの老人に見えてしまいます。

では、そう見えてしまう原因げんいんはなんでしょうか?

 

実は、この老人が70歳代以上に年を取って見えない原因は目や鼻といった顔のパーツ配置が大人(成人男性)のものになっているためです。

成人男性のパーツ配置で描かれた老人

年齢による顔の描き分けの回で説明しましたが、成人男性の顔のパーツ配置は人間という生物として成熟せいじゅくしきった肉体や骨格を手に入れた状態を表現するためものです。

つまり、人間として一番強くてしっかりした状態なわけです。

しかし、90歳や100歳という老人はその状態をすでに大きく通り過ぎた年齢となります。

しっかりした顔をしたままでは困るのです。

パーツ配置が成人男性のままでは、しわや白髪をいくら描き加えたとしても人間をある一定以上には老化ろうかさせることはできないのです。

成人男性と同じパーツ配置では老人は年を取れない

80歳、90歳と…それ以上に年を取らせるためにはしわや白髪を描き加える以外に、老人となった時の顔のパーツ配置を知っておく必要があるのです。

老人の頭蓋骨

頭蓋骨ずがいこつは年齢にしたがって形が変わります。

赤ちゃんから大人までがそうであったように、大人から老人へと年をとった時にもこの頭蓋骨の形の変化はおこります。

老化で変形する頭蓋骨

まずは老人の頭蓋骨ずがいこつを見ておきましょう。

頭蓋骨の成長
出典『新編 美術解剖図譜』 東京芸術大学美術解剖学教室 編 日本出版サービス p.50

上記の引用図の下段真ん中の「5」が成人男性の頭蓋骨ずがいこつで、その右隣みぎどなりの「6」が老人のものです。

これを見ると明らかに成人男性のものより老人の頭蓋骨が小さくなっているのがわかります。

加齢とともに頭蓋骨も老化していきます。

頭蓋骨が老化すると、眼窩のくぼみが大きくなって目が垂れ、歯が抜けたり骨密度の低下から顔全体の長さも成年の頃より短くなります。

老人の頭蓋骨は大人のものというより、子供や赤ちゃんのものに近い形なのです。

老人の顔のパーツ配置

この頭蓋骨の変化を踏まえて、老人の顔のパーツ配置を考えましょう。

お年寄りも年齢がいくと「かわいいおじいちゃん」「かわいいおばあちゃん」と表現されることがありますが、これは頭蓋骨の変形により顔のパーツ配置が子供の頃の「かわいい」状態に戻っていくことが一因いちいんでしょう。

90歳~100歳くらいの年齢のお年寄りを描く時の顔のパーツ配置は赤ちゃんの頃と同じパーツ配置にすると良いでしょう。

老人のパーツ配置

頭部の真ん中より下に、目や鼻といった顔のパーツを配置するイメージです。

この顔をベースとしてしわや白髪といった老化の記号を描き加えていけば、確実に年齢を重ねたお年寄りを描くことができるようになります。

100歳のお年寄りを描くポイント

では、実際に90歳~100歳くらいの年齢のお年寄りを描いてみます。

顔のパーツ配置は赤ちゃんと同じにします。

100歳の老人の顔のベース

こうすることで「かわいい」老人を表現できるようになります。

顔のベースができたら目のあたりのたるみや頬のたるみ、白髪や脱毛、しわなどの老化の記号を意識しながら目や鼻、口といった顔のパーツを描いていきます。

老人の顔の特徴

100歳のすごいお年寄りの完成です。

 

最初の老人の顔とも比較しておきましょう。

老人の顔の比較

しわや白髪などの老人をあらわす記号は基本的に同じものを使っていますが、顔のベースを成人男性から赤ちゃんに変えることで、かなり印象が変わったと思います。

老人もある一定以上に年を取らせるためには、顔のパーツの配置を変える必要があるということをおぼえておいて下さい。

要点まとめ

それでは、最後に要点をまとめておきます。

  • パーツ配置が成人のままでは一定以上老化しない
  • 老化が進むと頭蓋骨が変形し子供の頃のものに近くなる
  • 100歳くらいのお年寄りの顔のパーツ配置は赤ちゃんと同じ

一番重要なポイントは老人も年を取っていくと、顔のパーツの配置が子供や赤ちゃんの頃に戻っていくということです。

これを知らずに90歳や100歳のすごいお年寄りを描くことはできません。

このポイントをしっかりおぼえておいて下さい。

 

次回は萌えキャラの顔の描き方について解説します。

アニメやマンガでよく登場してくる魅力的な美少女たちですが、その頭蓋骨ずがいこつの形や頭部のバランスは解剖学かいぼうがく的にはとても奇天烈きてれつなものです。

萌えキャラ特有とくゆうのデフォルメを踏まえながら描き方について学んでみましょう。

それでは、また次回。

 

【広告】

▼顔や頭部を描くためのおすすめ参考書

デジタルで絵を描くなら液晶タブレットがおすすめ!

コメント/Comment

タイトルとURLをコピーしました