《初級者~中級者向け》
これまでは人間の体の比率やバランス、特徴などについて説明して来ました。
前回の男女の描きわけについてはこちら。
人体の比率やバランスを勉強することは、もちろん人間を描くためなのですが、もうひとつ描けるようになるものがあります。
それは、人外やモンスターと呼ばれる存在です。
人外とかモンスターと呼ばれるクリーチャーの類は想像上の生物ですが、こういった「現実には存在しない人間に似た生物」も人間の体の比率やバランスを知ることで描くことができます。
今回は人体の比率を応用した人に似た姿の想像上の生物の描き方について解説します。
※本ブログの記事には広告が表示されます。
今回の授業内容と難易度
では、今回の内容です。
今回はあえてこれまで勉強してきた人体の比率やバランスを外すことで描くことができる人外やモンスターの描き方を説明していきます。。
一般的な内容ではないですが、人間の姿に似た想像上の怪物をデザインしたいと思っている人には良い参考になると思います。
- 難易度 2:★★☆☆☆
- 重要度 2:★★☆☆☆
- 画力向上度 3:★★★☆☆
一般的な需要はあまりないと思うので重要度は低めです。
人体の比率を応用してモンスターを描いてみよう。
正しい人体の比率を外すとどうなるか?
これまで人間の頭部や体に存在する比率やバランスという絵を描く上でとても大切な約束事について説明して来ましたが、この比率やバランスを外して描くとどうなるでしょうか?
基本的には失敗作のような、おかしな外見の人間や人に似た奇妙な生物が現れます。
この人体の比率やバランスから外れたデザインのキャラクターは、ゲームやアニメーションといった商業的な作品にも時々見ることができます。比較的多いのは頭部のバランスがくずれているものです。
あえてそういったデザインにしていることもありそうですが、これはどうだろうか…と思われるものもあります。
その画像をそのまま使う訳にはいかないので、おおよそのイメージを描いてみます。

どうでしょうか?奇妙なところがわかるでしょうか?
では、このキャラクターが奇妙に見える原因は何でしょうか?
それはこういうことです。

おそらく目がこの位置にくる人間は現実には存在しません。
目の位置を基本的な頭部の比率やバランスにあうように調整してみましょう。

どうでしょうか?最初のものより安定したのではないでしょうか。
わかりにくいと思うので2つの頭部をならべてくらべてみましょう。

左が目の位置が高いもの、右が位置を修正したものです。
2つの頭部における目の位置の違いはほんの少しですが、ならべて見ると左の方は頭部のバランスとしてかなり奇妙に見えるのではないでしょうか。
頭部における目の位置は重要です。
間違って配置すると頭部の構造自体がくずれたように見えてしまいます。
実際に街の中で「あの人、目の位置が高いな」と思う人を見かけたとしても目の位置が頭部の水平中央ラインを超えることはありません。
しかし、マンガやゲーム、アニメの世界には時々こういうバランスのキャラも存在します。
それは作品やキャラの個性を作るためにわざとそうなっている場合もありますし、単に失敗していると感じられる場合もあります。
ただ、人間ベースのキャラクターをデザインする場合は一般的な人体のバランスや比率から大きく外れてしまわない方が良さそうです。
なぜなら世の中の人が普段から見慣れているのは一般的な人体のバランスや比率なのですから。
一般的な人体の比率についてのまとめ記事はこちら。
人体の比率から外れた存在
人間ベースのキャラクターをデザインする時には一般的な人体の比率やバランスに従った方が良いのですが、約束事から外れたキャラクターを描いた時に見る人が「変だ」と感じてくれるのであれば、それをうまく活用することもできるはずです。
実際、世の中にはあえてその約束を守らずにデザインされていると思われるものもあります。
その多くは神や悪魔、怪物などの人間とは異なる存在がデザインされる場合などです。
有名なところではラパヌイ(イースター島)のモアイでしょうか。
出典:Pixabay WikiImagesによるPixabayからの画像 ラパヌイ(イースター島)のモアイは一般的な人間の頭部の比率からは大きく外れている
モアイは人間に似せた石像ですが、人間の頭のバランスから外れたデザインになっていることで、見る人に少し不思議な感情をいだかせたり、恐ろしく思わせるような姿になっています。
これは像に神秘性を持たせ、人から畏怖されることを目的とするところもあるのでしょう。
一般的な人体の比率やバランスから外れた存在は人にいろいろな感情を思い起こさせます。
人外や人型モンスターを描く方法
この「あえて一般的な人体の比率やバランスを外す」ことを知っているとモンスターなどをデザインする時に応用することができます。
では、この方法を使って、いくつか人外やモンスターといわれる想像上の生き物っぽいものを描いてみることにしましょう。
頭の比率を外してモアイっぽい頭部を描く
最初は頭の比率をわざとくずしてモアイのような頭を描いてみましょう。
頭部の一般的な比率や目や耳といったパーツの配置や大きさはこのような感じになっています。

頭部のパーツの比率やバランスについては以前の授業でも詳しく説明しています。
モアイっぽい顔ですので、基本的な頭部の比率を大きく外して描いていきます。
まず頭部の形状から決めていきましょう。





今回、描いたモアイ風の頭は人間の基本的な頭部の比率を外して描いたものの一例です。
どこのバランスをどうくずすかで見た目が大きく違う奇妙な顔をいくつでも描くことができるでしょう。
人に似た姿のモンスターたち
次に全身の人体比率を外して人に似た姿のモンスターを描いてみます。
基本的な人体の比率やバランスはこのような感じになっています。人体比率のまとめ記事へ。

この人体比率をあえて外すことで人に似ているが人ではない存在をデザインできます。
これもいくつか描いてみましょう。

まずは上半身と脚の比率を少しだけ変えたパターンです。
モンスターっぽくなるように首はなくして、胴体に直付けしています。

手と脚を極端に長くしたものです。
これだけでも人の形状としてはかなり変わったものになります。
実際に使うときは巨大化させてみたりすると面白いかも知れません。

最後は上半身を強調したものです。
上半身が大きくなったので、相対的に脚の割合は下がっています。

人体の比率をずらすやり方でモンスターをデザインする時は、ラフを色々描いて試行錯誤してみると良いでしょう。
要点まとめ
では、今回の要点まとめです。
人体の決まりをわざと外すことで人外やモンスターを描くことができます。
逆に人体の正しい比率を知らないと、そんなつもりはなくてもモンスターっぽい顔や体を描いてしまっているというようなこともあるので注意が必要です。
次回は番外編として、マンガやアニメの関連学部を持つ美術系の大学や専門学校に進学するかどうかで悩んでいる人に対し、そういった学校に進学して学ぶ必要性について大学の教員でもある私がいくつかアドバイスしてみたいと思います。
では、次回もお楽しみに。
デジタルで絵を描くなら液晶タブレットがおすすめ!
コメント/Comment