《レベル:初級者向け》
今回は子供の体の比率と描き方についてです。
子供を描いたのに大人に見えてしまう…。
絵を描きはじめたばかりの頃によくある問題です。
おそらく、その原因は子供特有の比率になっていないからです!
子供は前回のアジア系の人種や萌えキャラと同じく変わった比率の人体になっており、そのことを知らないとどんなに頑張って描いても子供が子供に見えません。
今回は子供の体の比率や頭身を主に、子供が大人になる原因とその対策について解説します。
子供がおっさん化してしまう悲劇とは今日でおさらばしましょう!
前回のアジア系人種と萌え系キャラの人体比率についてはこちらから。
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今回の授業内容と難易度
今回の内容です。
今回は子供を子供らしく描く知識とコツについて説明します。
- 難易度 2:★★☆☆☆
- 重要度 4:★★★★☆
- 画力向上度 4:★★★★☆
内容はそれほど難しくないですが、子供を描く上での重要度と画力向上度は高めです。
子供を描いたつもりがキモいおっさんになるという悲劇にみまわれつづける方に、その原因と対処方法をお伝えします。
子供を子供らしく描くには子供特有の体の比率とバランスを知ることが大切です。
あなたの描く子供が子供っぽくならない原因も含めて解説します。
子供がおっさんになる悲劇とその原因
かわいい子供を描いたはずなのにおっさんが爆誕する…。
実は、これは人類が何百年も前からくり返してきた悲劇なのです。
この「何百年」というのは実は誇張ではなく、古い絵画や宗教画にも明らかに子供が大人になってしまっている例を見ることができます。
出典:「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」 Manuel Panselinos – http://sankire.narod.ru/Panselin.html, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9853895による マヌイル・パンセリノス『生神女進殿』
子供が大人になっている例 3歳設定のマリア様が大人を小さくしたような姿で描かれている
絵を描く人間にとって、子供が小さい大人になる問題は長い歴史のある悩みなのです。
この問題は絵の描き手が子供の体の比率やバランスについてよく知らずに、大人の体の比率やバランスをそのままあてはめて子供を描いていることが原因でおきます。
問題の原因が明確なため対処の仕方は、実は簡単です。
子供の体の比率とバランスを知ればよいのです。
それを知らずにどれだけ大人を小さくしても子供にはならないのです。
大人とは異なる子供の体
ひと言で「子供」といっても年齢ごとの体の成長具合はさまざまです。
1歳と12歳では、同じ子供でも見た目が大きく違ってくることはわかると思います。
年齢別の子供を描くには、体の成長にあわせた比率やバランスを知る必要があります。
人間の体は成人して以降は老化がはじまるまで体形が大きく変わることはほとんどありませんが、子供はそれこそ17、18歳前後くらいまでは体が大きく成長し、見た目も大きく変わります。
子供は生まれてから成人する頃まで骨格や筋肉が成長をつづけます。骨はどんどん形を変えながら大きくなり、体を動かすことで筋肉も発達していきます。
子供を描く時は、その子供が何歳なのかということを頭において描くことが大切です。
出典:Pixabay Nato PereiraによるPixabayからの画像 大人の体の比率と子供の体の比率は明らかに違っているのがわかる
明らかなことは大人の人体比率やバランスをそのまま子供を描く時にあてはめても子供の姿にはならないということです。
子供らしく描くためには体の比率とバランスが重要
子供の体の比率とバランスは年齢で変わるのですが、今回は特に3歳前後の幼児と10歳前後の小児を例にして子供の比率や描き方を説明します。
3歳児の体の比率と描き方
まずは3歳児について説明します。
3歳男児の平均的な身長は90cm~100cmくらいです。大人の腰くらいですね。
しかし、大人の比率で描いた人体を小さくして並べてみても子供には見えません。
子供を描く時に重要になるのは頭部と体の比率とバランス、つまり頭身です。
子供は体に対してかなり頭の割合が大きいです。
しかもその割合は幼ければ幼いほど頭の方が大きくなります。
子供を子供らしく描くポイントのひとつは頭を大きく描くということになります。
3歳児であれば5頭身(頭1に対し体4の比率)くらいで描くとよいでしょう。
幼児は胴体が長く、脚が短くなる、胴長短足の体形になります。
頭を含めた上半身が3、脚が2くらいの比率です。
体の比率を3歳児のものにあわせた子供を大人のとなりにならべてみましょう。
今度は小さな大人ではなく、子供がならんでいるように見えるようになったのではないでしょうか。
10歳の少年の体の比率と描き方
つづいて10歳の少年です。
10歳男児の平均身長は135cm~140cm前後になるようです。
3歳の時よりかなり身長がのびます。脚や胴体の成長にくらべ頭部はあまり大きくなりません。
10歳くらいの少年だと頭身は6.5~7頭身を目安として描くとよいでしょう。
ラフを描いてみましょう。
子供も成長すると全身に対する頭部の占める割合が小さくなってきます。骨が伸び、脚が長くなります。活発に動くことで少しずつ筋肉がつき、逆に脂肪は減ってスリムなシルエットになります。
3歳児を描いた時のラフとくらべて見ます。
頭の割合は6.5~7頭身になり、かなり大人の比率に近づいてきます。
個人差もありますが、大人でも6.5~7頭身くらいの頭身の人はかなりいます。
ラフの上から10歳少年のモデルを描いてみます。
頭身が大人に近づく一方で体の方はまだまだ成長途中です。骨や筋肉も未発達でやせています。
骨や筋肉は10代に入ってから、10代後半にかけて完成していきます。
これも先ほどの大人のモデルのとなりにならべてみましょう。
さらに3歳児のモデルも比較用にならべてみると成長するにつれて頭部の割合が小さくなっていく様子がわかると思います。
今回は3歳と10歳の子供の比率について説明しましたが、他の年齢の子供もこれを参考に頭身を大きくしたり小さくすることで描くことができます。乳児で4頭身、15、6歳で7.5頭身くらいになり、それ以上の年齢では頭身は大人と変わらなくなります。
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要点まとめ
では、今回の要点をまとめておきます。
大人が小さくなった人間が子供ではありません。
子供を描く時は年齢にあわせた頭身、比率で描かなければならないことをおぼえてきましょう。
今回は全身の比率、バランスに注目して子供の描き方を説明しましたが、これはあくまで体形だけの話です。
子供を子供らしく描くには目や耳といった顔のパーツの配置も重要になってくるのですが、これはまた年齢による顔の描き分けの回で詳しく説明します。
次回は体形のシルエットによって男性と女性を描き分ける方法についてです。
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