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【遠近法練習】簡単パース応用講座⑥~分割と増殖:トレーニング問題~

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【遠近法練習】簡単パース応用講座⑥~分割と増殖:トレーニング問題~ 遠近法&背景
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《初級者~中級者向け》

今回は「分割と増殖」のトレーニングをしてみましょう。

パース関連の知識は実際に使って描いてみるのが一番身につきます。

マンガやアニメ、イラストなどの背景を描く時に、より実用的なケースで「分割」と「増殖」を使う練習問題に取り組んでみましょう。

今回の問題を解くには「分割と増殖」についての基礎知識が必要となってきます。

「よくわからない…」という場合は、先に下記の記事を参照さんしょうしてみて下さい。

 

このブログでは遠近法における「線遠近法せんえんきんほう」を中心に説明します。

線遠近法は「透視図法とうしずほう」とも呼ばれるものです。

また、これらを含めた遠近法的要素ようそを持つものを「パース」という言葉で表すこともありますが、線遠近法を除いた他の遠近法については説明する予定はありません。

当ブログで「遠近法」や「パース」という場合は「線遠近法」のことをします。

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今回の内容

では、今回の内容です。

  • 「分割」の練習問題に挑戦してみよう
  • 「増殖」の練習問題に挑戦してみよう

これまでの解説回の記事よりも、より実用的な「分割&増殖」の課題を用意しました。

デジタル作画や印刷用のデータをダウンロードもできるようにしていますので、よければ実際に自分の手で描いてみて下さい。

 

練習問題:「分割」を使って街灯を立てる

こちらが今回の「分割&増殖」の練習用の課題になります。

division_duplication_test01

道路沿いに街灯が2本立っている絵です。

まず、この街灯を「分割」の知識を使って下記の指示(黄色いわく内)に従って描いてみて下さい。

注意する点としては、以前の解説記事では四角形のユニットを分割したり、増殖したりしていましたが、今回はその四角形が見当たりません。

「分割&増殖」を使う時に、必ずしも明確な四角形のユニットがあるわけではありません。

そういった場合には、まず最初に「分割&増殖」すべきユニットを見つけ出す必要があります。

今回のそれぞれの課題のどこに「分割&増殖」の知識をあてはめればよいか、についても考えてみて下さい。

 

間に街灯を2本増やしてみよう

【課題】

あなたはある町の建設業者です。

今回、町から街灯を新設する工事をけ負いました。

夜間の道路が暗いので街灯の本数を増やしたいというのです。

今回の町からの指示は「すでにある街灯2本の間に等間隔でもう2本同じ大きさ高さの街灯を追加で立てて欲しい」というものです。

「分割」の知識を使って、正しい位置に街灯を立ててみて下さい。

解答作成目安時間:5分

街灯の間に増やす街灯は2本です。

division_duplication_test02

どのような手順で描き進めれば「分割」の知識を使って指示通りの位置に2本の街灯を増やすことができるでしょうか?

ヒント:「分割」における3等分割の知識を使うと求めやすい

なお、解答を求める手順は特に指定しません。

 

練習問題:「増殖」を使って街灯を増やす

つづいて「増殖」を使う課題です。

こちらは2種類あります。

奥側と手前側に街灯を増やす2パターンです。

 

奥に1本街灯を増やす

【課題】

街灯を間に2本増やす工事を終えた後、さらに町から依頼が来ました。

まだ道路が暗いので追加で街灯を増やしたいということです。

町からの追加の依頼は「すでにある街灯と同じ間隔になるように道の奥側にもう1本同じサイズの街灯を追加で立てて欲しい」というものです。

今回は「増殖」の知識を使って、指定の位置に街灯を立ててみて下さい。

解答作成目安時間:3分

増やす街灯は1本です。

division_duplication_test03

すでに立っている4本の街灯の奥側にもう1本同じ街灯を描きます。

これは「増殖」の知識を使って増やしてみて下さい。

 

手前に1本街灯を増やす

【課題】

先ほどの工事を終えた後、またまた町から追加の依頼が来ました。

どうやら今度は道路の手前側にも街灯を増やしたいということです。

今度もすでにある他の街灯と同じ間隔になるように道の手前側にもう1本同じサイズの街灯を追加で立てて欲しい」というものです。

同じく「増殖」の知識を使って、手前側に1本街灯を立ててみて下さい。

解答作成目安時間:3分

増やす街灯は同じく1本です。

division_duplication_test04

今度は一番手前の街灯のさらに手前にもう1本同じ街灯を増やします。

やり方は今までの「増殖」と同じですが、手前に描くためにはどうすべきでしょうか?

 

練習問題ダウンロード

練習問題の各種データは、以下のリンクからダウンロードすることができます。

印刷用PDFデータ

デジタル作画用PNGデータ

 

 

まとめ

では、今回のまとめです。

  • パース関連の知識は実際に使って慣れることが大切

何度も言いますが、パースの学習は実際に使ってみるのが一番です。

参考を見ながら、実際に手順を理解できるまで色々描いてみましょう。

 

 

次回は「簡単パース応用講座」で解説した「2点透視での箱の描き方」と「分割&増殖」を使って街並みを描く方法についてです。

より実用的な「2点透視」と「分割&増殖」の活用方法について説明します。

それでは、また次回

 

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練習問題解答例

それでは、今回の各練習問題の解答例について解説していきます。

まず、前提ぜんていとして今回の課題のように明確な四角形がないケースでは、与えられた素材から「分割増殖」できる四角形のユニットを見つけ出すことからはじめます。

今回の課題であれば、手前の街灯を四角形の手前の辺、奥の街灯を四角形の奥の辺と考えます。

answer01

さらに手前の街灯の頂点から奥の街灯の頂点を通って消失点へと向かうパース線と、手前の街灯の底面から奥の街灯の底面を通って消失点へと向かうパース線を引きます。

answer02

すると、ここに四角形(長方形)が現れます。

このように「分割増殖」をあてはめるべき明確な四角形ユニットが存在しない場合は、四角形として想定できるものを見つけ出してから「分割増殖」の作業を進めていくことになります。

 

【分割解答例】間に街灯を2本増やしてみよう

まず、すでに立っている街灯の間にさらに同じ街灯を2本増やすという作業です。

これはユニットを分けて位置をみちびき出すことになるので「分割」を使います。

街灯を立てる位置を2つ求めないといけないので、3等分割になります。

 

まずは二等辺三角形を使う方法です。

最初の街灯2本の中間点となる垂直線を対角線から求め、そこの頂点から手前と奥の街灯の底面に向けて直線を引きます。

answer03

この頂点からの直線と対角線の交点がユニットを3等分割する垂直線の位置となります。

3等分割の位置がわかったら、垂直線をラフとして街灯を描きましょう。

answer04

これで街灯を間に2本増やすことができました。

 

次に手前の辺を3等分して位置を求めるやり方です。

手前の街灯の高さを3等分し、各分割位置から消失点に向けてパース線を引きます。

answer05

パース線が引けたら、手前と奥の街灯が作る四角形の対角線を描きます。

このパース線と対角線の交点が3等分割垂直線の位置となります。

answer06

あとは先ほどの手順と同じです。

answer07

 

以上が「分割」を使って2本の街灯の間に均等距離で、さらに街灯を2本追加する解答例です。

 

【増殖解答例】奥に1本街灯を増やす

「分割」を使って街灯は4本になっていると思いますが、次はこの4本の街灯の奥に「増殖」を使って、さらに同じ街灯をもう1本立てます。

answer08

すべて同じ間隔となるようにという指定があるので、それに従って位置を求めます。

この場合は一番奥の街灯と奥から2番目の街灯が作り出すユニットが基準となります。

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このユニットの対角線を描き、増やすユニットを含めた長方形の中点を求めます。

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中点が求められたら、奥から2番目の街灯の底面から中点を通る直線を引きます。

直線は街灯の高さでそろうパース線とやがて交差しますので、そこが増やすべき街灯の位置です。

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直線とパース線の交点から垂直線を下ろし、街灯を描いていきます。

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これで他の4本と同じ間隔で、さらに奥に1本街灯を追加することができました。

 

【増殖解答例】手前に1本街灯を増やす

最後は街灯を手前に増やす作業です。

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これも「増殖」を使います。

解説記事も含めて「増殖」はすべて奥側に増やすケースで説明してきましたが、もちろん手前側に増やすこともできます。

これもすでに描いた5本の街灯と同じ間隔でならべるようにという指定があります。

先ほどの奥に増やしたケースと同じように「増殖」の基準となるユニットを決めます。

この場合は一番手前の街灯と手前から2番目の街灯が作り出すユニットが基準となります。

answer14

基準のユニットを見つけ出したら、増やすユニットを含めた中点を求めます。

この場合も基準ユニットの対角線から割り出します。

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この中点は一番手前の街灯の高さを2分割するポイントでもあります。

中点が求められたら同じく、この中点を通る直線を引きます。

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この直線と交わるべきパース線は描かれていないと思うので、街灯の頂点を結ぶパース線を手前側に伸ばして、対角線となる直線とつなげましょう。

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このパース線と直線の交点が手前に増やすべき街灯の位置となります。

垂直線を下ろし、街灯を描きましょう。

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「分割増殖」で増やした4本を含めて、合計6本の街灯を立てることができました。

answer19

これで今回の練習問題は完成です。

 

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