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【初級者実践編】パース超基礎講座⑤~1点透視で箱を描いてみよう~

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【初級者実践編】パース超基礎講座⑤~1点透視で箱を描いてみよう~ 遠近法&背景
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《初級者向け》

前回までで遠近法(パースペクティブ)に関する知識面の説明をおこないました。

前回授業はこちらから

パースについて最初から読む場合はこちら

今回は実際に遠近法(パースペクティブ)を使って絵を描いてみる実践じっせん編になります。

パースで絵を描くには「思ったところに思った大きさの箱を描ける」というスキルがあるかどうかが大切になってきます。

まずは最初の一歩として、1点透視で箱を描ける技術と考え方を身につけましょう。

1点透視で自在じざいに箱(ブロック)を描くことができるようになれば、もうパース初心者から初級者あたりまでレベルアップしたと言ってもよいでしょう。

このブログでは遠近法における「線遠近法せんえんきんほう」を中心に説明します。

線遠近法は「透視図法とうしずほう」とも呼ばれるものです。

また、これらを含めた遠近法的要素ようそを持つものを「パース」という言葉で表すこともありますが、線遠近法を除いた他の遠近法については説明する予定はありません。

当ブログで「遠近法」や「パース」という場合は「線遠近法」のことをします。

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今回の授業内容と難易度

では、今回の内容です。

  • パースを使って箱を描く意味
  • 1点透視での箱(ブロック)の描き方と考え方

今回の授業では1点透視で箱を描く方法と考え方がわかります。

1点透視で箱を描けるようになることがパースで絵を描く最初の一歩になります。

  • 難易度なんいど 2:☆☆☆
  • 重要度じゅうようど 4:★★★★☆
  • 画力向上度がりょくこうじょうど 4:★★

1点透視で箱を描くことは描き方さえ知っていれば意外と簡単です。

ただ、パース上に箱を描けるということは、絵を描く時にはとても大切な知識、技術となります。

今後、2点透視や3点透視で箱を描く時の基礎ともなりますので、ぜひ身につけておきましょう。

 

パース上に箱を描けるようになる必要性

まず最初に、なぜ遠近法で箱を描く知識や技術を身につける必要があるのかを説明しておきます。

それは、この世界のものはほとんど箱の中におさめて描くことができるからです。

ビルも家も車も机もイスも、そして人間でさえ箱をラフにして描くことができます。

あらゆるものが箱の中におさまる

パースの上に箱を描くことができれば、パースに合わせて色々なものが描けるようになるのです。

なので、パースを使って箱を描く技術、知識が大切になるのです。

1点透視で箱を描く方法

では、実際に箱を描いてみましょう。

透視図法とうしずほうと呼ばれるものには1点透視、2点透視、3点透視と、見る角度によって1~3個の消失点(VP)を使って描く方法が主ですが、今回は一番理解しやすい消失点が1つだけの1点透視を使って箱を描く方法について説明してゆきます。

①アイレベルと消失点を決める

まず、絵を描く時のお約束ですが、アイレベルと消失点を決めます。

アイレベルは好きなところで良いですが、1点透視なので消失点は真ん中あたりに置きましょう。

①アイレベルと消失点を決める

こんな感じに描けたでしょうか。

②箱を描きたい場所を決める

次に箱を描きたいところに丸や球であたりをとります。

②箱を描きたい場所を決める

「だいたいここに箱を描くぞ」という基礎計画です。

③決めた場所に四角形を描く

箱を描きたい場所が決まったら、③で描いた球の前に板(四角形)を描きます。

あたりの球を箱におさめる感じで描くとよいでしょう。

③決めた場所に四角形を描く

あとで詳しく説明しますが、1点透視は箱とカメラが正面から向かい合っている状態で、今描いた四角形がカメラ側に向いている箱の1面ということになります。

④描いた四角形の4つの隅から消失点にパース線を引く

四角形が描けたら、それぞれの角から消失点に向けてパース線を引いてみましょう。

④描いた四角形の4つの隅から消失点にパース線を引く

このような感じになりました。

⑤箱の奥行きを決める

パース線を引いたら、箱の奥行きを決めます。

ここも今は好きなところで決めてしまって大丈夫です。

⑤箱の奥行きを決める

「すべての面が正方形でできた立方体りっぽうたいで!」と考えてしまうと、カメラのレンズの知識なども関係してきて非常ひじょうに難しくなってしまいます。

立方体で描きたい場合は「だいたい立方体に見えるな」という位置で奥行きを決めればOKです。

今回は箱に見えれば、どんな形でも大丈夫です。

とりあえず箱が完成

⑥見えないところも描いてみる

箱としては手順⑤までで描けていますが、パースで箱を描くことをより良く理解するためにも奥側の見えない面も描いてみましょう。

⑥見えないところも描いてみる

透明な箱を描く感じですね。

ここで手前の面と奥の面の四角の角を通るパースラインがズレていたりしたら修正しておきましょう。

VPと四角の四すみがずれていないかチェックする

⑦形をととのえて完成

最後に箱の形をととのえて完成です。

⑦形をととのえて完成

これで1点透視で箱を描くことができました。

【動画】1点透視で箱を描く様子

1点透視による箱の描き方を動画でも解説しておきます。

▼短いバージョンはこちら

1点透視とはどういうものか?

1点透視での箱の描き方を説明したところで、1点透視はカメラが撮影する対象たいしょうをどのような状態で撮影しているのかも確認しておきましょう。

先にも少し述べましたが、透視図法の1点透視、2点透視、3点透視はそれぞれカメラが対象をどのような位置からどのように撮影しているかによって変わってきます。

今回、説明した1点透視は消失点1つの描き方ですが、1点透視の時、カメラと撮影対象(箱)はおたがいに正面を向いてむき合っている(正対せいたい)状態を描いていることになります。

1点透視でのカメラと対象の関係

箱で言えば、箱に角度がついていない状態で見ている場合が1点透視です。

ここで2点透視、3点透視についても簡単に説明しておきますが、これは中級レベルくらいまでに習得しゅうとくできていれば良いでしょう。今は良くわからなくてもOKです。

まず、2点透視は1点透視から箱に角度かくどがついた状態です。

図で描くとこんな感じです。

2点透視でのカメラと対象の関係

箱がカメラに対しななめになり、消失点が2つ存在そんざいしています。

2点透視の箱の例

そして、3点透視はこのような感じ。

3点透視でのカメラと対象の関係

箱に角度がついた2点透視から、さらに見上げたり、見下げたりした状態で上方向、下方向に向いた3つ目の消失点(VP3)が発生したものです。

3点透視の箱の例

しかし、2点透視と3点透視は「こんなものもある」と知っておくだけで大丈夫です。

今は1点透視での箱の描き方だけしっかりとおぼえておきましょう。

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ルーミス自身の説明図に加え、復刊にあたりより詳しい日本語版の解説図が追加されています。パースの基礎から応用まで幅広く学ぶことができるおすすめの1冊です。

 

要点まとめ

では、今回の要点をまとめておきます。

  • 箱が描ければパース上に色々なものを描くことができる
  • 1点透視で箱を描く方法、考え方を確認し習得しておく
  • 1点透視においてカメラと箱(対象)は正対した状態である

まずは1点透視で箱をかける技術、知識を身につけましょう。

これがパースを使って絵を描くための重要じゅうような一歩になります。

 

次回はこの1点透視で描いた箱を使ってパースの特性とくせいを見てみます。

箱を描けることになったことで、さらにパースに関する知識を勉強する準備ができました。

1点透視で描いた箱を通して、パースを使った絵を描く時の注意点を学んでおきましょう。

それでは、また次回。

 

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パースの知識を身につけるためには、お手本を見ながら実際に描くのが一番です。

古本でも良いのでパースの参考書を何冊か手元に置いておくのがおすすめです。

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