《超初心者~初級者向け》
今回はいわゆる「普通の人」が効率的に画力を上げる方法について考えます。
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前回の記事で絵を描く才能には2種類あると述べましたが、特別な才能に恵まれなかった一般的な才能の人間はどのように画力をあげていけば良いのでしょうか?
普通の人でも絵を描く能力には個人差があります。
これが個々の画力向上に必要な時間の差になってあらわれてきます。
ただ、画力の伸び方に差があるとしても、伸びていくプロセスやそのために必要となる要素はほとんど変わりません。
差が出てくるのは単に習得のスピードのみです。
今回は普通の人が効率よく画力を上げるために意識すべきポイントについて考えてみます。
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普通の人の画力構成要素
普通の才能の持ち主同士であっても画力の伸びには個人差が生じます。
おそらく、これは普通の人間でも絵に関する才能や努力の仕方が異なってくるためでしょう。
これも何か根拠があるわけではないですが、絵を描く仕事に身を置く実感として普通の人の画力を構成する割振りは、おおむね以下のような割合ではないかと考えます。
画力の要素 | 割合 |
---|---|
絵を描く才能 | 30% |
継続力(時間) | 30% |
知識 | 20% |
ものを見る目の力 | 20% |
絵を描く才能
目で見た、あるいは頭で考えたものを手を使って絵として再現する才能やセンスです。
全体の30%の割合になっていますが、個人差が大きくここの配分が30%すべてうまっている人もいれば、0%の人もいます。
30%の才能を持つ人は継続や知識といった他の要素の活用も効率的におこなえるでしょう。
同じ期間、同じような練習したとしても画力の伸びが違ってくるのはこの部分が大きいと考えます。
ここの割合は持って生まれたものなので、その後の努力でどうにかできるものではありません。
4つの画力構成要素のうち、この才能だけは固定です。
自分の才能の割合が大きいことを祈りつつ、他の3つの要素を伸ばすことに力を注ぎましょう。
継続力(時間)
文字通り、絵を描くことに使った時間です。
普通の人が画力を伸ばすには、とにかく続けることです。
ここが意外と難しいところです。
才能に恵まれた人でも、なかなか継続して描くということができません。
逆に言うと才能の割合が低い人でも続けることで才能の差を逆転可能です。
毎日5分でも10分でも良いので描き続けることが重要です。
知識
「知る」ことも普通の人が画力を伸ばすために大切な要素です。
人体比率や構造、遠近法にラフの描き方などといった知識面の要素です。
絵を描くにあたっては「知っていると描けるけれど、知らないと描けない」ということがたくさんあります。
知識は絵を描く時の骨のようなものです。
あなたの描く絵に根拠を与え、それが自信となるでしょう。
ものを見る目の力
描いた絵の正誤を判断する目の力です。
デッサン力と言い換えても良いかも知れません。
自分の描いた絵が正しいかどうか判断できなければ完成させることができませんし、間違っているところに気づいて修正することもできません。
目の力は継続したトレーニングと知識の習得で育てることが可能です。
例えば、「すごく良く描けた」と思っていた絵を1年ほどたってから見直すと、そんなに「上手い」と思うことができず、逆にいくつかの修正点が見つかったという経験はないでしょうか。
これはものを見る目が育っている証拠です。
この見る目の力が育ってくると、描いているそばから間違いに気づくことができて、おかしなところを直しながら描けるので、最終的な絵の完成度も自然に高まってきます。
絵を描く力を育てる5つの方法
上記の4つの要素で構成される画力は地道に育てていくしかありません。
残念ながら画力の向上に近道は存在しません。
しかし、うまく育てる方法を知れば、少なくとも遠回りすることはなくなるでしょう。
画力を効率的に向上させるということは、なるべく遠回りしないということです。
ここでは遠回りせずに画力を向上させる取り組みについて考えてみます。
描く対象を知る
知識面の補強は大切です。
色々なことを知っているということは描く絵に根拠を与えてくれます。
あなたが何となく人の形を描けるとして、それは人を見て知っているからです。
知らないものはいつまでも描くことができません。
人体構造や遠近法などの絵を描くための基礎的な知識の習得に加えて、描く対象についてしっかり観察して、どのような構造になっているのかを理解して描くようにしましょう。
それだけでアウトプットされる絵は大きく変わってくるはずです。
ラフから描く
知識の習得や観察が終わったら実際に絵を描いてみましょう。
この時に気をつけるべきはラフから描くことです。
絵の練習の時にキレイに描こうとする必要は全くありません。
ラフの下絵やガイドラインなど、色々な補助線を描いて完成させていきましょう。
ラフの線が残っている絵は組み立て方がわかるので価値があります。
そして、ラフを描く時にはものの形を立体的な塊でとらえて描きましょう。
輪郭線を追うのではなく球や円柱、箱などの立体で形をとらえる癖をつけると、描く絵もどんどん立体的に描けるようになるでしょう。
他の人に見せるために絵を描く
描いた絵は積極的に他の人に見てもらいましょう。
ひとりよがりで描いていても画力の効率的な向上は望めません。
他の人に見てもらう前提で描くことで自分の絵を客観視する習慣がつくでしょう。
見てもらう対象は家族や学校の美術の先生でも良いですし、より多くの人に見せて評価してもらいたいというのであればSNSなどでも良いです。
単なる批判は別にして、他の人からもらえる批評はとても貴重です。
特に修正点を指摘してくれる声や意見には真摯に耳を傾けて、絵の改善に取り入れてみましょう。
優れた評価眼を持つ人の修正点の指摘や説明によって修正点が理解できると見る目が育つきっかけにもなります。
大きく描く
絵はキャンバスに対して大きく描くべきです。
自信がないと紙のはしの方に小さく描いてしまいがちですが、画力を育てる上では逆効果です。
小さい絵は細部をごまかして描くことができます。
苦手な所を隠して描くこともできるでしょう。
特に練習の時には紙いっぱいに堂々と大きく描いて細かい部分もしっかり描きましょう。
描くものの構造がわからなければ調べながら描くと良いでしょう。
苦手を避けて好きなものだけを描いていては画力は永遠に伸びません。
色々なものを大きくしっかりと描くことを意識しましょう。
描き続ける
画力を育てる最後のポイントは描き続けることです。
これは画力に限りませんが、何かの技術を高めていくためには継続することが一番重要です。
何年でも納得のいく絵が描けるようになるまで描き続けましょう。
当たり前のことに思えるかも知れませんが、これができない人が異常に多いのです。
粘って描き続けることができれば、画力は確実に伸びてきます。
まとめ
今回の内容のまとめです。
以上が遠回りせずに画力を向上させるための取り組み方です。
しかし、画力は努力を続ければそれに従って徐々に上がっていくものではありません。
画力の上がり方には少し癖があります。
画力は右肩上がりにあがるものではなく、階段状にあがっていくといがあるのです。
頑張って描き続けているのに思うような絵が描けない時はとても苦しいのですが、その描きたいイメージと実際の画力にギャップを感じ始めた時が踏ん張りどころです。
その苦しい時期さえ乗り越えれば、画力は突然あがります。
このことをぜひ知っておいて下さい。
▼画力の上がり方についての詳しい解説はこちらから
今回は以上です。
次回は画力を育てるための毎日の習慣についてです。
それでは、また次回。
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